時間があれば船の科学館駅で下車して立ち寄ってみよう。
船の科学館駅を出たゆりかもめは、U字を描くように進路をとる。
大きな観覧車が見えてくるとそこは青海駅。
ヨーロッパの中世の街並みを再現したテーマパーク型のショッピングゾーン、ヴィーナスフォートや、車をテーマにしたメガウェブ、遊園地などからなる総合エンターテインメントパーク、パレットタウンに直結している駅だ。
パレットタウンのシンボルとも言える大観覧車は、高さ地上115m、回転直径100m。世界有数の大きさを誇り、約16分の空中散歩が楽しめる。
日が落ちてくるとライトアップが行われ、眩く輝くベイエリアの夜景が眼下に広がり、いっそうロマンチックに。
青海駅を出発すると右手に国際展示場が見え、さらに進んで東京湾の高架軌道を越えれば終点の有明駅。
約24分のベイエリア散策は終わる。
リンゴ園が広がる平地から豪雪地帯の山間を抜け、千曲川から信濃川へと名を変える川沿いを走る飯山線。
ここからは井川線の列車に乗り換え、南アルプス山麓に分け入る。
千頭駅から終点の井川駅間は、日本でも数少ない山岳路線として有名だ。
最大勾配は90パーミル。
つまり1000m進むごとに90m高度を登る急勾配だ。
千頭駅を出た列車は、やはり大井川の流れに沿って走る。
あたりの谷が狭まり、深山幽谷の様相を呈し、川根両国駅、沢間駅と過ぎて、土本駅へ。
駅の手前で渡った川は、大井川の支流の寸又川。
この川の上流にあるのが、寸又峡だ。
寸又峡へは、土本駅の二つ先の奥泉駅からバスが出ている。
原生林に覆われて、深く刻まれた峡谷が続く寸又峡は、この沿線第一の観光ポイント。
両側の絶壁からはいくつもの滝が流れ落ち、新緑や紅葉の季節はことに美しい。
また寸又川の支流・大間川にかかる夢の釣り橋からの寸又峡の眺めも素晴らしい。
長さ90m、高さ8mの吊り橋で、渡るとゆらりゆらりと揺れてちょっと勇気がいるが、寸又峡とほぼ並行しているため、眺望は抜群。